君はー……脇下一族列伝という実況動画を聞いたこと、或いは覚えているだろうか?
(突然のカタシロリビルドごっこ)
(カタシロリビルドどれも名公演なので見てね!)
いやそうじゃないんだ。今回の本題はそうじゃない。
いやカタシロリビルドも面白いから見てもらいたいんだけど!
今回は違うんだ。
脇下一族が好きだという話を聞いてもらいたい。
そう思って久々にブログを開いた次第です。
脇下一族列伝というのは、稲葉百万鉄さん投稿の俺の屍を越えてゆけ実況動画でございます。
有名なので知っている方も多いのではないでしょうか。
唯一無二の自分の歴史を作れるゲーム。それが俺の屍を越えてゆけ。
(2? 知らない子ですね)
その中でも何故この脇下一族という稲葉さんの作られた歴史に惹かれるのか。
それをとりとめなく、ネタバレ満載で語りたいと思います。
ネタバレやだー! 知らないー! という人はここでブラウザバック、もしくは動画を見よう。さぁ見よう。長い? 大丈夫、もう本編は完結している。以下、ネタバレ注意だ!逃げろ!!
[78回]
さて、ここからは『俺屍』というゲームを知っている前提で語らせて頂く。
私にとっての俺屍というゲームはそれはそれは大きなもので、結婚のきっかけになったゲームでもあり、離婚の痛手を癒そうとして傷口に粗塩塗り込まれたゲームでもありました。忌々しきは俺屍2であり、俺屍は関係ありません。
ですが、稲葉氏が絶賛投稿中のその頃、私はまだ古傷に塗り込まれた痛みに悶えている最中でありました。
きっかけはフォロワーさんが脇下一族の話をTwitterでしていたこと。
脇下一族? えらく珍妙な名前でプレイしているものだ。きっと内容もふざけてるんだろう。でも一体誰がプレイしているのだ。
そういえば少し前、ランキングに初代俺屍のサムネが並びまくってた頃があったような……?
調べました。
プレイヤーは今や古参の実況者とも言える稲葉百万鉄さん。私は知っていました。
「剣神ドラゴンクエストで発狂しながらプレイしてたイナババだ」
私は昔の稲葉さんをあまり知りません。
もちろん、存在は知っていましたが、『若い女の子にキャーキャー言われているアイドル実況者さん』というイメージが強かったです。
まぁ、当時の全盛期はあまり好印象ではありませんでした。今はもちろん違いますが。
とりあえずあのイナババの動画ならつまらないということはなかろう。
そう思い、Part1を再生しました。
そこからすべては始まった。稲葉さんは後に語っているように、はじめたばかりの頃は『人間ダビスタ』としてプレイしていました。
「最初の子の親となる神を選びなさい」
そう言われ、選ばされる10点神様たち。
「あらー美人さんじゃないの」
「いやー、いいゲームだ!」
キャッキャとはしゃいでいるアラサーの青年。
しかし、徐々に『俺屍の毒』が彼を蝕みはじめます。
我が子の子孫を残したい、けれど序盤の『一族は6人まで』という人数制限でそれもままならない。それもこれも初代様が飛沫まくって5人も子を成してしまったからなのですが。
(清流濁流のお母様は双子が生まれやすいので既プレイヤーは「いけない!」と思ったことでしょうが後の祭りです。まぁ絶対双子という訳でもないですし、私も中様などの双子が生まれやすい神様でひとりしかお子様を授からなかったこともありますし、まぁ運命ですね)
まぁ最初の方は稲葉さんの軽快なおしゃべりも相まって楽しく見ていました。五流回すのにもなんとかなれた、第三当主薫子様の時代、私が脇下一族に頭の先まで浸かる出来事が起きました。
私を脇下一族の沼にハメた男の名は、嘗若丸。
そしてその伴侶である神様、お七様。
何度も書いていますが、私は結構な俺屍ジャンキーです。
神様の交神セリフだってほとんど覚えています。(全員ではないですが)(脇下を経て何故か覚えたセリフもありますが。ハンダキボボイスタメレ。)
自分が交神させた一族のお相手ならば、もちろん。
お七さんもそのひとりで、交神セリフは覚えています。
「後悔させないわ……」
すこし突き放したような、クールな雰囲気のセリフでした。少なくとも、私はそう記憶していました。
嘗若は自分の奥義も創作し、寿命を押してまで討伐続行を選びました。(選んだのは当然プレイヤーである稲葉さんなのですが、私には嘗若が「行きたい」と言ったように感じたのです。)
そして、お紺さんを打倒し、帰還。
嘗若の最期が訪れました。
彼は最期にこう言いました。
「実は俺…好きな女がいたんだ…別におかしくは、ないだろ?」
この瞬間、脇下一族の皆が「ゲームのデータ」じゃなくなりました。
私の自分の一族ですら、ゲームのデータだと思っていたのに。友人と氏神を交換したり、ゲーム雑誌についていた最強データのキャラを養子に貰ったりしていたのに。
脇下一族のキャラは生きているのだと、そう思いました。
嘗若。好きな人がいたのか。
好きな女性よりずっと早く成長する自分をどう思っていたんだろう。
その人と子を成せず、神と交神するしか道のない自分をどう思っていたんだろう。
そして、お七さんのあの言葉を、どんな気持ちで聞いたんだろう。
なめ吉の最期でも流れた涙でしたが、それとは別の涙が流れていました。
嘗若の生きた道を思い、涙が止まらなかった。
お七さんとどんな話をしたのだろう。
そんな過程を経て、「後悔させない」と言われたのだろう。
きっと彼のことだ、バカ正直に自分には好きな女性が他にいると言ったのだろう。
けれど、彼の伴侶になる神は言ったのだ。
「後悔させないわ」、と。
用意されたデータ。
用意されたセリフ。
用意された顔グラフィック。
けれど、脇下一族は、間違いなく生きているのだ。
そう感じたのは、きっと嘗若が最初でした。
それからは食い入るように見漁りました。
残りわずかな寿命を引きずり、初めて大江山へ足を踏み入れ、仁王像を討伐した薫子様。
大立回りをし、戦い、そして倒れたはぜるちゃん様と、彼女を見届け、最期まで共に、そして旅立った碧様。
まだ幼いのに鬼朱点を討伐するも、更に巨大なものがあると知り、それでも皆を率い、立派な当主になったヤバ吉様。
最初は皆の足を引っ張るも、年下の女の子たちを導き、立派なお兄ちゃんになったなめ悟。
字が上手で、風流なイケメン女子な当主様なのにどこかポンコツな烈香様。
うめちゃん様の代から求め続けた春菜の巻物。
烈香様にひきずり回され、ひたすら鎮魂墓だったPB世代の皆。
暴走する烈香様の年下のお目付け役で、シューズ(草鞋)の紐が切れまくった筆頭家老のなめ七(最推し)、
稲葉さんに「誰の子よぉ!!」と言われながらも、自分は次の世代の架け橋だと覚悟を決めた、天才当主でより短命で、それでも最高神と交神し、自分の遺伝子を伝えた海大王様、
そして、きっと自分の父親である大王様が朱点童子に伝えたかったであろう遺言を手に、最後の命が尽きようとしている姉であり、海洋ロマンス世代を知る最後の存在であるあくあを呪いから救う為に、やはり幼いながらも地獄巡りに突入し、見事に呪いを断ち切った爆裂丸、共に闘った濫十郎、漣之介、みちるちゃん、そして、なめ吉家として、家を守ったなめ八。信じて待っただろう、あくあちゃん。
ここには書いていない他の皆も、間違いなく、生きていた。
きっとこの神様とはこんな話をしていたのだろう、この神様とこの神様は仲が悪い気がするけど、奥さんたちが仲良しだからなんかギスりながらもたどたどしくやってるに違いない、天界に登った彼らは、きっとこんな話をするだろう。
色々な想像が止まらない。
そりゃあ流行るわ。二次創作も増えるわ。だってこんなに魅力的な一族、私は他に知らない。
それはきっと稲葉さんの手腕もあってのことでしょう。
そして、こうも思いました。
この一族に、「私の俺屍の思い出をぐちゃぐちゃにしたあのキャラクターはいない」と。
やた様はぺろみ殿の旦那様だし。
コジ様は浮気でもしようものなら津那美様に毒盛られるだろうし。
刑人様は烈香様に抱かれてるし。(逆では?)
私は俺屍で縁を貰い、そしてその縁が切れ、俺屍2に救いを求め、裏切られました。
けれど、脇下一族を見て、全部どうでもよくなりました。
「全部チャラでいいのよ」くるくるくるー。
自分で見ていた時はぽかんと、「はぁ、そういうモンなのかなぁ」と思いながら見ていたあのムービーに、なんだか救われました。
そうか、全部チャラか。
なら、いいか。
裏切られた苦しみも、悲しみも、お輪さんではなくて、脇下一族が全部チャラにしてくれた。
私は多分他の人よりもこのゲームに対する思い入れが違うと思います。
だから2が許せなかったし、悲しかったし、辛くてプレイを途中で辞めました。
でも脇下一族がいる。
脇下一族が全部チャラにしてくれたから、大丈夫だ。
私はまだ俺屍を好きでもいいんだ。
まぁ2はもうやらないけど。(強い意思)脇下一族は私も救ってくれました。
ありがとう脇下一族。
ありがとう稲葉百万鉄さん。
この動画に出会えて、私は救われました。
好きな一族はなめ七、嘗若丸、濁流丸、うめ香ちゃん様、烈香様、まりんちゃんです。
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